ゴールデンサークル

シングヴェトリルは、930年に初期の入植者たちが合議制の共和国を建国した、アイスランドの歴史にとって大変重要な場所です。その文化的な意義から、1930年には国立公園として保護され、さらに2004年にはユネスコ世界遺産に指定されました。この地は、地球内部から上昇したマグマが、新しいプレートとして西と東に分かれて行く場所でもあります。移動をする際に引き裂かれてできた大地の裂け目（ギャウ）も、見ることができます。

滝・グトルフォスは、ラング氷河の溶け水が流れる、上段11m、下段20mの２段構えの滝です。天気のいい日には、滝の上に虹がかかることで、『グトル（黄金）フォス（滝）』という名前がつきました。1920年代には水力発電所を造る計画があったほど、１年を通して水量が多いのも特徴です。幸いにも地元の住民たちの反対によって、滝は守られ、その後1979年には自然保護地域に指定されました。

ゲイシールエリアのストロックルは、7～8分おきに約30mほどの高さに噴き上がる間欠泉です。間欠泉のしくみに大きく貢献するのが、温水菅と呼ばれる地下の特殊な地形です。温水菅にたまる水が地熱で温められ、温度の上昇に伴う水圧の低下に地表まで押し上げられて、熱湯として噴き出すのです。活発な地熱地帯に属するこのエリアでは、他にも異なった源泉を見ることができます。

南アイスランド

南アイスランドの国道沿いには、有名な大きな滝が２つあります。ひとつは、高さ60m幅25mのスコーガフォス。滝に沿った山道はアイスランド屈指のハイキングコース・フィムヴォルズハウスルとソールスマルクに繋がっています。もうひとつは、滝の裏側も歩けるセリヤランズフォス。こちらは優美な細目の滝です。その他にも、氷河の溶け水が流れる小さな滝の数々を、道中見ることができます。

南アイスランドの海岸線は、氷河の下や海中の火山が噴火したことで造形された独特の美しさがあります。例えば、ディールホーラエイという名の岬は、十万年前の2度の海底噴火時に凝灰岩が堆積することで、生まれました。レイニールフャーラの黒砂海岸も、氷河時代の火山の噴火でできたものです。ここでは、妖精の教会と呼ばれる玄武岩柱も見ることが出来ます。どちらも渡り鳥の繁殖地になっています。