DISCOVERY TOURS ICELAND のウェブサイト、バックに蛇の絵が施されています。「どうしてアイスランドに蛇?」と不思議に思われたのではないでしょうか。そこで、蛇のお話です。



北欧神話で語られる最大の怪物、ミドガルズオルムをご存じですか。ミドガルズオルムは、世界を囲む海に住み、大地を取り囲んでいるのです。この蛇は怪狼フェンリルの兄弟であり、ロキの娘として生まれました。しかし、その強大な力がやがて神々に禍をもたらすと危惧され、大地を取り囲む冷たい海に投げ捨てられてしまうのです。しかし冷たい海で死ぬどころか、ミドガルズオルムは海の中でも大地を取り囲むほどの巨体に成長し続けます。

ミドガルズオルムは北欧神話最強の神トールと、神々の黄昏「ラグナロク」で戦います。終いにはトールの雷槌でたたきつぶされてしまいますが、トールもミドガルズオルムの吐く毒の息で死んでしまいます。

このミドガルズオルムは、無限大の記号「∞」のモデルである古代の永遠の象徴「ウロボロス」のイメージ同様、自らの尾をくわえ大地を取り囲み、支えています。ミドガルズオルムが尾を離すのは「ラグナロク」の時のことです。つまり、ミドガルズオルムの口から尾が離れるのは北欧神話で語られる「終末の日」においてであり、永遠が終了する合図と考えられるのです。逆に言えば、ミドガルズオルムが自らの尾をくわえている間は世界は保たれるのです。蛇の永遠性というのは古代から語られているモチーフですが、様々な伝承が絡まり合いミドガルズオルムの神話を作り出していることは間違いないでしょう。

 

DISCOVERY TOURS ICELAND は、アイスランドの壮大な自然の営みを、永遠の象徴・ミドガルズオルムに重ね、カンパニーシンボルにしています。

(2008年3月)

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